中小零細事業者を直撃する消費税の3大改正
2003年8月26日掲載
平成15年度の税制改正において,消費税の中小零細事業者に対する特例について,大きな改正が行われました。消費税の一部が国庫に入らないという,いわゆる「益税」の大幅な縮小を狙ってのものであり,その意味では異論のないところかと思われますが,中小零細事業者にとってかなり納税事務の負担が増すこととなります。
改正の要点は次のとおりです。
- 第1 総額表示が義務づけられます
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- 平成16年4月1日から,取引価格を表示する際,消費税額(含む地方消費税額)を含めた価格を表示しなければなりません。
改正前
9,800円(消費税別途) |
→ |
改正後
10,290円(うち消費税490円) |
- コメント
総額表示の義務化については,将来の消費税率アップをにらんだものとの意見もあるようです。将来の税率アップの際,例えば,食料品など生活必需品については税率を3%に引き下げ,代わりに,ぜいたく品・し好品などについては税率を10%に引き上げた場合,現状のような税抜き価格の表示では,消費者が食料品とし好品とを同時に購入した際,総額でいくらの支払いとなるのかが分かりにくいから,という理由からです。
要するに,将来の増税をにらんで,その際,消費者に痛税感をなるべく与えないようにするための下準備ではないか,ということです。
- 第2 事業者免税点が引き下げられます
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- 基準期間,免税点
個人については平成15年1月〜12月の売上高,法人については平成15年3月決算の売上高を基準として(基準期間),それが1000万円を超える場合(従前は3000万円)
- 適用時期
平成16年4月1日以降に開始する課税期間から適用されます。
具体的には,個人については,平成17年1月〜12月の売上について行う平成18年3月(平成17年分)の申告から,法人については平成17年3月決算分から適用されます。
- コメント
消費税を納めなければならない人を増やすための改正です。
この改正によって,現行の免税事業者のうち40%にあたる約137万事業者が新たに消費税の申告納税の対象になると予想されています。
- 第3 簡易課税制度の適用上限が引き下げられます
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- 基準期間,適用上限
個人については平成15年1月〜12月の売上高,法人については平成15年3月決算の売上高を基準として(基準期間),それが5000万円を超える場合(従前は2億円)
- 適用時期
平成16年4月1日以降に開始する課税期間から適用されます。
具体的には,上記第2−2と同じです。
- コメント
消費税を正確に,つまりは,より多く納めさせるようにする改正です。
この改正前は,年間売上が2億円以下の事業者は,売上高さえ把握しておけば消費税額が計算できましたが,今後は,仕入に係る消費税額の控除を受けるためには,仕入の事実を証する「請求書など」(およびそれを記録した「帳簿」)の保存が必要となります。
この改正によって,現行の簡易課税選択事業者のうち50%にあたる約56万事業者が一般課税の対象になると予想されています。
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