交通事故は,いまなお訴訟件数も多く,大阪地裁には専門部(15民事部)が設置されているところ,訴訟実務の積み重ねによって,その法的主張および書証とも,かなりの程度まで類型化されてきています。
大阪地裁から,訴訟提起後,原告代理人に対して,第1回口頭弁論期日までに準備すべき事項のチェックリストが公表されていますので,ご紹介します。
原告 代理人 殿
平成 年 月 日
事前準備依頼書
大阪地方裁判所代15民事部 係 裁判官 書記官 (内線 )
上記交通事件の速やかな訴訟進行を図るため,以下の□にレをした事項について代1回口頭弁論期日までに準備してくださるようお願いします。
【主張関係】以下の点について主張してください。
(責任原因)
□請求根拠条文(自賠法3条,民法709条,同法715条,商法662条等)
(被 告)
□運行供用者性を基礎づける具体的事実(所有者・使用者・その他)
(事故態様)
□事故態様,事故原因
図面(もし入手していれば刑事記録・少年保護事件記録添付の実況見分調書),現場の写真などを利用して分かりやすく説明してください。
(受傷内容)
□入院・通院先,□入院期間,□通院期間,□通院実日数
(損 害)
□損害填補前の全損害額の内訳
□被害者の□職業(事故前及び事故後),□学歴,□実収入額(事故前及び事故後)
□症状固定日,□自賠責保険の認定した後遺障害等級,□現在における日常生活及び業務に対する影響
□死亡した者の損害と遺族固有の損害の区別
□被害車両の車両・年式□被害物品の購入価格・購入時期
(損益相殺)
□保険会社(自賠責保険・任意保険・共済),労災保険,健康保険,被告等からの既受領額(提供元,提供先及び各金額,労災については費目を明らかにしてください。)
【書証関係】以下の書証を提出してください。なお,書証中重要な部分はマーカー等で強調してください。
<人損・物損共通>
□交通事故証明書,□事故車両の写真(全体及び破損部分),□事故現場の道路の写真(撮影者,撮影日時及び撮影方向を付記)
<人身損害>
□診断書(自賠責の定型書式のもので以下の事項の記載があるもの→□入通院期間・□通院実日数・□付添看護の必要性及び期間・□個室使用の必要性及び期間・□特殊治療(鍼灸・カイロプラティック等)の必要性・□装具装着の必要性)
□診療報酬明細書(自賠責の定型書式のもの)
□後遺障害診断書,□後遺障害等級認定証明書(自賠責)
□付添看護費の領収証
□通院交通費について,□バス,電車の利用については原告作成の明細書,□タクシー利用については必要性に関して,障害の程度・態様,医療機関と自宅の位置関係等に関する被害者本人の陳述書及び領収証
□自宅等改造費用の図面・領収証(改造後の写真も併せて提出),□車椅子・義肢・装具・特殊車両等の領収証
□休業損害証明書,□事故前年の源泉徴収票or市区町村長の納税証明書又は課税証明書(所得額の記載があるもの)など事故前の収入を立証できる書証
□戸籍謄本
<物権損害>
□自動車検査証又は自動車登録原簿謄本
□車両等修理費用の領収証(修理未了の場合は見積書)
□事故原価額証明書(日本自動車査定協会等)
□自動車価格月報(レッド・ブック)(全損の場合や時価が修理費用を超えることの証明を要する場合)
□代車料の領収証
□車両以外の被害動産・不動産の写真・価格表・修理費用の領収証等
<刑事関係記録・カルテ類>
次の書証は,もし原告が入手しており,訴訟前の交渉経過等から被告が以下の点について争うことが予想される場合は提出してください。未入手の場合は,23条照会または文書送付嘱託の申立てを早急にしてください。*被告が,事故態様,双方の過失の有無・割合を争うことが予想される場合
◇刑事記録・少年保護事件記録中の法律記録
*被告が,傷害・後遺障害の有無・程度,事故との因果関係等を争うことが予想される場合
◇診療録(訳文を付記し,頁番号を振ったもの),レントゲン写真等
【証拠説明書】
証拠説明書を必ず提出してください。訴状の請求原因に記載してある金額(例・治療費やタクシー代など)を算出する計算過程も分かりやすく記載し,書証中で特に注目を要する点なども詳細に記載してください。
【その他】
後遺障害の主張をする場合で自賠責の等級認定をまだ受けていない場合,早急に手続をとってください。
以上