借金問題解決のために

生命保険の契約者貸付金の取り扱いについて

2004年3月16日掲載

判例・福岡高決平成15年6月12日・判タ1139号292頁

 生命保険会社では,契約者から支払いを受けた保険料を,将来の保険金の支払いのために積み立てています。そして,契約者は,この積立金を担保として,保険会社からお金を借り入れることができ(おおむね積立額の80%まで),これを契約者貸付(契約者からみると借入)と呼んでいます。
 それでは,契約者が,この契約者貸付によって,保険会社から借入をしている状態で,個人再生を申し立てた場合,この契約者貸付債権はどのように扱われるのでしょうか。
 この点が争点となった事案において,福岡高裁は,ソニー生命保険株式会社の約款に「和議開始決定……がされた場合は,その決定があった日に,貸付金の返済期日が到来し,かつ保険契約はその効力を失うものとします。その場合,貸付元利金は,会社が支払うべき金額と相殺して精算します」との定めがあることから,「再生手続開始決定の時点で相殺されて消滅しているというべきであり,これを本件再生手続における再生債権とすることはできない」と判示しました。そもそも債権として存在しないのだから,再生債権であるはずがない,という内容です。
 やや杓子定規な感を否めない判示内容ですが,頻出する点についての高裁決定としてご紹介します。


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