破産事件は,その資産規模や債権者数などによって,通常管財(A管財),小規模管財(B管財),同時廃止の3つに分類して処理され,さらに同時廃止についても,一定額の任意配当(按分弁済)を行うよう求められることがあります。
この点,平成16年4月1日から,新しい民事執行法が施行されますが,差押えが禁止される金銭の額が66万円へと増額されることから,それに合わせて,破産する場合でも,手持ちの現金が66万円までなら,そのまま保持することができるようになりました。
しかし,この66万円という現金枠にやや余裕があると見えるためか,現金に現金以外の財産(20万円未満のものも含む)を加えて,その合計額が66万円を超える場合については,その超えた部分については,債権者へと任意に配当することが新たに基準として裁判所から示されました。
破産事件の相当割合を占める同時廃止についての新しい運用であることから,その全文をご紹介します。
破産同時廃止手続における現金の按分弁済基準が変わります!
大阪地方裁判所第6民事部
本年4月1日に改正担保・執行法が施行されます。今回の法改正及び関係する政令の改正によって,差押えが禁止される金銭の額が66万円に変更されます(改正民事執行法131条3号)。
現在,当部では,破産申立人が20万円以上の現金を有している場合には,同時廃止の前提としてその全額を按分弁済していただいております。もちろん,上記改正法は,原則として本年4月1日以降の申立事件について適用されるものですが,按分弁済手続に通常必要となる期間や手続の安定性,連続性も考慮した上,当部では,本年3月16日以降に処理する事件については,同時廃止のための按分弁済について,以下のとおり改正法を前提とした新しい運用を開始することにしました。
- 1 現金に関する原則
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| (1) |
破産申立人が現金を保有している場合,66万円までは按分弁済の対象としない(新運用)。 |
| (2) |
現金の額が66万円を超える場合,超過分につき按分弁済を要する(新運用)。 |
- 2 現金に関する例外
- 破産申立人が現在現金の形で財産を保有している場合でも,それが実質的危機時期(破産申立依頼,支払停止等)以降に,預金や保険を解約したり,自動車等の財産を売却するなどして得られたものである場合には,按分弁済の判断に際しては現金としては取り扱わず,解約前の状態を前提に按分弁済の要否を判断する(従来どおりの運用)。
- 3 現金以外の財産に関する原則
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| (1) |
現金以外の財産については,項目別に合計して20万円に満たない場合は按分弁済を要しない(従来どおりの運用)。 |
| (2) |
項目別に合計した額が20万円以上となる場合,全額を按分弁済することを要する(従来どおりの運用)。 |
- 4 財産の上限に関する基準
- 現金及び現金以外の財産(20万円未満のものも含む)の合計額が66万円を超える場合は,超過分について按分弁済することを要する(新運用)。
上記2のとおり,破産申立依頼後等の時期に預金の引き出し・保険解約等の現金化行為を行いますと,責任財産が減少し,債権者を害することになりますので,相当額の弁護士費用や,やむを得ない生活費等の有用の資に充てる場合を除き,按分弁済の対象とされることがあります。したがって、このような有用の資に充てる場合を除いては,受任後,積極的に現金化を指導されることのないよう,よろしくお願いします。
また,同時廃止事件の申立てについては,かねてから月末及び15日の集中申立てと正午直前の申立てを避けていただくようご協力をお願いしているところですが,上記新運用の導入時期も御考慮の上,一層の御協力をいただきますようお願いします。