借金問題解決Q&A

2003年8月7日掲載
2004年4月12日改訂

<解決方法のあらまし>

<費用について>

<よくあるご質問について>

<個人民事再生について>




解決方法のあらまし

どのような解決方法がありますか

 大きく分けると4つの方法があり,任意整理,特定調停,個人民事再生,破産です。
 個人民事再生には,さらに小規模個人再生と給与所得者等再生の2つがあり,また,破産には,運用によって,同時廃止と小規模管財と通常管財の3つがあり,細かくは合計7つとなっています。
 これらの各方法はさまざまな点で異なっていますが,

裁判所を利用するのか
債権者への強制力はどの程度か
返済額の目安はどのようなものか

という点から分類すると次の通りです。

名称 小分類 裁判所の利用 債権者への強制力 返済額の目安
任意整理   利用しない なし。直接の示談 残元金(ただし,利息制限法で引き直したもの)
特定調停   簡裁を利用 なし。簡裁での話し合い 同上
個人民事再生 小規模個人再生 地裁を利用 債権者による多数決 借金の20%相当額
給与所得者等再生 地裁をフルに利用 裁判所の認可 借金の20%相当額と2年分の可処分所得のいずれか多い方
破産 同時廃止 地裁をフルに利用 裁判所の決定 なし
小規模破産管財 同上 同上 一定以上の資産全部
通常管財 同上 同上 同上

 なお,破産のうち,管財人を選任するため,小規模管財では約22万円,通常管財では約50万円(以上)を裁判所へ納める必要があります

 これをさらに,◎,○,△,×のイメージで表すと次のとおりです。
 任意整理と破産とが,ちょうど対極にあるのがお分かりいただけるかと思います。

名称 小分類 裁判所の利用 債権者への強制力 返済額の目安
任意整理   × ×
特定調停  
個人民事再生 小規模個人再生
給与所得者等再生
破産 同時廃止 ×
小規模破産管財 ×
通常管財 ×

 任意整理と破産とがちょうど対極にあるのがお分かりいただけるかと思います。

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任意整理とは何ですか

 任意整理とは,裁判所を利用せず,債権者と直接に示談を行って,利息制限法に引き直した残元本を,2年から4年,最長でも5年(60回)以内で返済することをいうのが通例です。
 債権者と直接に示談を行うことから,仮に債権者がかたくなに拒否すれば,話し合いがまとまらないこともあり得ます。

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特定調停とは何ですか

 特定調停とは,債権者の所在地を管轄する簡易裁判所を利用して,調停委員のもとで,債権者との間で,柔軟に話し合いを行う,というものです。
 債務者本人で,任意整理をするのは困難を感じるが,裁判所という場を利用し,調停委員の力も借りながら,やはり自分で,安い費用・簡単な手続で話しを行うのに向いています。

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個人民事再生とは何ですか

 個人民事再生は,内容としては,おもに個人事業主を対象とした小規模個人再生と,おもにサラリーマンを対象とした給与所得者等再生とに分かれます。
 小規模個人再生とは,裁判所を利用して,今後の返済計画案を立てつつも(再生計画案),最後の段階では,そのような再生計画案を受け入れるかどうかを債権者の多数決に委ねるというものです。
 給与所得者等再生とは,裁判所を利用して,今後の返済計画案を立てるについて,その下限として新たに「2年分の可処分所得」というハードルを追加するが,他方,裁判所がすべてのハードルを超えたと認定すれば,その再生計画による今後の返済を認める,というものです。

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破産とは何ですか

 破産とは,債務を完済することが到底できないときに,裁判所を利用して,債務者の財産を,すべての債権者に公平・平等に配当することをいいます。そして,配当後に残った多くの債権について,その支払いを免れるようにすることを免責といいます。一般に,破産というときは,この免責手続までを含んで使っています。
 破産のうち同時廃止の場合とは,債務者の財産が大変少なく,また,過去に事業を営んだことがなく,資産を隠していたりする可能性もないと考えられるときに限って,破産宣告と同時に,手続を廃止して,免責手続へと進むことをいいます。近年の長期化する景気の低迷と,消費者金融の発達にともなって,消費者破産が増えていますが,その多くは,この同時廃止によって行われています。
 通常管財とは,裁判所が,破産宣告と同時に,破産管財人を選任し,この管財人によって債務者の財産を換価・回収し,これを債権者に公平・平等に配当することをいい,もっとも時間とお金のかかる手続となります。
  小規模管財とは,同時廃止と通常管財との中間にあるもので,現在の破産法の範囲内で手続の簡易・迅速化を図ろうとするものです。予納金が,通常管財の半額以下で済む反面,例えば,賃借していた店舗等は申立人側で明け渡しを行わなければならないとされています。また,小規模管財においてどのような点に重点を置くかによって,免責調査型,差押解除・差押回避型,偏頗弁済型,不当利得型,生命保険等清算型,資産等調査型,法人併存型などと呼ばれることもあります。

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費用について

手続を依頼すると費用はいくらかかりますか

 必要となる費用は,大きく分けて次のふたつです。

着手金(なお,報酬金はありません)
実費など──裁判所への予納金,印紙代,切手代,通信交通費など

 そして,個人の方について,解決方法ごとの目安となる費用は次のとおりです(消費税を含んでいます)。法人については別途ご相談ください。

名称 小分類 着手金(消費税含む)
任意整理   借入先1社につき4万2000円
特定調停   同上
個人民事再生 小規模個人再生 借入先10社までは35万円
以後は1社増ごとに1万0500円
ただし,45万5000円を上限
給与所得者等再生 同上
住宅ローン特則 10万5000円を加算
ただし,従来どおり住宅ローンの返済を継続する場合は,加算なし
破産 同時廃止 借入先10社までは35万円
以後は1社増ごとに1万0500円
ただし,45万5000円を上限
小規模破産管財 同上
通常管財 同上

 報酬金は,いずれの手続についても頂いておりません。
 実費については,原則として着手金に含んでいますが,小規模管財については23万円,通常管財については50万円(以上)が必要となります。

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費用を分割で支払うことはできますか

 原則としては,分割支払いでの事件受任は行っておりません。
 例外的に,定期的な収入のある方で,当初に相当金額をお支払いくださり,残額を半年程度の分割にすることは行っています。

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費用さえ支払えば,事件を引き受けてもらえますか

 お断りする場合もあります。
 例えば,

クレジットカードで電化製品,鉄道切符などを購入し,すぐに換金することを繰り返している場合
友人,知人など複数の他人名義でお金を借りたり,物を買ったりしている場合
直前にお金を借りて,まだ1回も返済できていない先が複数ある場合
借金の使い道について十分な説明をしていただけない場合
同居している家族に内緒で手続を進めることを条件とする場合

などには,ご依頼をお受けできないことがあります。

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よくあるご質問について

債権者からの取り立ては,止みますか

 金融庁事務ガイドラインでは「債務処理に関する権限を弁護士に委任した旨の通知,又は,調停,破産その他の裁判手続をとったことの通知を受けた後に,正当な理由なく支払請求すること」が禁じられています。
 弁護士から,この受任通知とか介入通知と呼ばれる文書を債権者へ送付した後は,債権者から債務者本人への直接の請求(自宅への訪問や電話による督促)は,止まります。
 ただし,債権者として,裁判所を利用した請求までできなくなる訳ではありませんので,訴訟が起こされたり,差し押さえを受けることはあります。
 また,近時は,いわゆる「ヤミ金」と呼ばれる業者があり,違法と知りつつ,おもに電話による督促をある程度続けてくるところもあります。

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破産や個人民事再生をすると,戸籍や住民票に記入されるのですか

 戸籍や住民票に記入されることは一切ありません。
 ただし,市区町村が発行する「破産していないことの証明書」を取得することができなくなりますが,これも,後日,免責を得ることによって再び取得できるようになります。

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会社や勤務先に知れてしまいますか

 個人民事再生・破産の場合は,官報という国が発行する誌面に名前などが掲載されますが,一般の会社では,官報の当該欄まではチェックしていないのが通例です。また,任意整理や特定調停の場合には,官報にも掲載されません。
 しかし,まれに債権者から,給与の仮差押え・差押えを受けた場合には,裁判所から会社・勤務先宛てに郵便が届きますので,その債権者に借金があることまでは知れてしまいます。
 また,個人民事再生・破産では,申立て時点で退職したと仮定した場合の「見込み退職金額」を明らかにすることが必要であるため,会社・勤務先から証明書や退職金給与規定の写しを受領する必要があり,その際の説明にはやや工夫が必要でしょう。

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給料を差し押さえられませんか

 仮差押えや差押えを受ける可能性はあります。
 特に,借入れの際,公正証書を作成している場合には,差押えを受ける可能性が高いといえます。
 個人民事再生では,手続開始決定があれば,それ以降の新たな差押えの申立てはできませんし,すでにされている差押えも,その手続が中止されます。
 破産では,差押えを回避するために,裁判所への予納金が必要となりますが,小規模管財として取り扱うよう求めることも可能であり,この場合,破産宣告決定があれば,それ以降の新たな差押えの申立てはできなくなり,すでにされている差押えも効力を失います。

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保証人になってもらった友人・知人はどうなりますか

 債権者から,保証人である友人・知人へ,借金返済の請求がいくことになります。債権者からすれば,主たる債務者からの正常返済が望めないときにこそ,保証人からの返済を期待しているともいえます。
 ただし,主たる債務者が,勝手に,友人・知人の承諾も一切ないまま,契約書に友人らの名前を記入しても,有効な保証とはなりません。

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保証人のある借金を除いた,それ以外の借金だけを解決できませんか?

 任意整理では可能なときもありますが,望ましくありません。
 特定調停では,債権者の理解を得られないと思われます。
 個人民事再生・破産では,保証人のある借金を除くなど,一部の借金を除外することはできません。すべての借金を明らかにする必要があり,仮に,一部の借金を隠していることが分かれば,再生計画が認可されなかったり,免責を得られないなど著しい不利益を被ることとなります。

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個人民事再生について

小規模個人再生は誰でも利用できるのですか

 小規模個人再生を利用できるのは次の方です。

個人の方
将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあること
借金総額が3000万円以下であること(住宅ローンは別枠)

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給与所得者等再生は誰でも利用できるのですか

 給与所得者等再生を利用できるのは次の方です。

個人の方
将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあること
給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがある方で,年収の変動が20%以内であること
借金総額が3000万円以下であること(住宅ローンは別枠)

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小規模個人再生では,いつまでに,いくら返済するのですか

 返済期間は,原則として3年ですが,場合により4年まで認めてもらえることもあります。なお,法律上は,極めて例外的に最長5年まで可能となっていますが,実際に認められることはほとんどありません。
 返済額は,1と2のいずれか多い方の金額です。

破産の時と比較して,それより多いこと
借金額が100万円未満──借金全額
100万円〜500万円未満──100万円
500万円〜1500万円未満──借金の5分の1
1500万円〜3000万円──300万円

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給与所得者等再生では,いつまでに,いくら返済するのですか

 返済期間は,原則として3年ですが,場合により4年まで認めてもらえることもあります。なお,法律上は,極めて例外的に最長5年まで可能となっていますが,実際に認められることはほとんどありません。
 返済額は,1〜3のうち,もっとも高い金額です。

破産の時と比較して、それより多いこと
借金額が100万円未満──借金全額
100万円〜500万円未満──100万円
500万円〜1500万円未満──借金の5分の1
1500万円〜3000万円──300万円
可処分所得の2年分

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可処分所得の2年分とは,どのようにして計算するのですか

 計算方法も,計算式に代入する金額の確定も,なかなかに複雑ですが,概略は次のとおりです。

<計算方法>
  • A 再生計画案の提出前2年間の収入の合計
  • B Aについての所得税・住民税・社会保険料(年金と医療)
  • C=(A−B)÷2 ← 1年間の平均収入
  • D=C−政令で定められている1年間の「最低生活費」
  • 可処分所得の2年分=D×2
<最低生活費とは>

 次に1から5の合計額ですが,それぞれの額について,住んでいる地域,年齢,養っている家族の数,収入額などによって区分して定められています。

個人別生活費
世帯別生活費
冬季特別生活費
住居費
勤労必要経費

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