担保・執行に関する法律が改正されました
2003年8月16日掲載
「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律案」が平成15年7月25日成立し,公布の日から1年内に施行されます。
担保法制・執行法制は,技術性の強い分野であり,また,債権回収業務に直結するところが多いため,正確な知識が求められるところです。また,今般の改正は,その対象が民法・民事執行法などの基本的な法律であり,まさに債権の内実とその実現過程の基本に関するものであるだけに大変重要なものです。
そこで,施行までまだ日数がありますが,改正の項目を新しい条文に沿って,ごく簡単ですがご紹介します。
- 第1 民法の改正
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- 先取特権の範囲の拡充(雇用関係,306,308条)
- 債権質の規定の整備(債権証書は不要に,363条)
- 抵当権消滅請求(滌除制度の合理化,378〜386条)
- 一括競売の範囲の拡大(建物の築造者を問わないことに,389条)
- 短期賃貸借制度の廃止と明渡猶予制度の新設(395条,ただし,附則5条により,改正法施行の際に存する短期賃貸借は従前の例による)
- 根抵当権者単独での元本確定(398条の19,不動産登記法119条の9)
- 第2 民事執行法の改正
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- 債務者を特定しないでする執行文の付与
明渡執行の実効性の向上(27条3〜5項)
- 民事執行法上の保全処分の強化
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| ・ 55条 |
売却のための保全処分等(要件の緩和,特に執行官保管) |
| ・ 55条の2 |
相手方を特定しないで発する売却のための保全処分等(占有者の入れ替わり対策) |
| ・ 68条の2 |
買受けの申出をした差押債権者のための保全処分等 |
| ・ 77条 |
最高価買受申出人または買受人のための保全処分等 |
| ・ 83条の2 |
占有移転禁止の保全処分等の効力
(55条1項3号・77条1項3号の新類型の占有移転禁止の保全処分があれば,その後,占有者が変わっても,もとの保全処分の相手方に対する引渡命令に基づいて,現在の不動産の占有者に対し強制執行が可能) |
| ・ 187条 |
担保不動産競売の開始決定前の保全処分等 |
- 不動産の内覧制度(売却の促進,64条の2)
- 強制管理の規定の整備(93条の2〜4,105条,107条,108条)
- 差押禁止動産の範囲の整備(食料及び燃料は1か月,金銭動産は2か月,131条)
- 養育費等の履行確保(期限未到来分も執行でき,その際の差押禁止債権の範囲を縮減,151条の2,152条3項)
- 明渡し催告の法制化(実務慣行の法制化,催告後の占有者に対しては承継執行文なしで強制執行可能,168条の2)
- 間接強制の適用範囲の拡大(173条)
(不代替的な作為債務および不作為債務(172条)に加えて,物の引渡債務,代替的な作為債務および不作為債務についても可能)
- 担保不動産収益執行の新設(180条,188条・強制管理の規定を準用)
- 動産競売の容易化(執行官による捜索,190条,192条)
- 財産開示手続の新設(債務者の財産内容の把握,196〜203条)
- 罰則の強化(公示書等損壊罪,陳述等拒絶の罪,204〜106条)
- 第3 民事保全法の改正
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- 占有移転禁止の仮処分関係
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| 25条の2 |
債務者を特定しないで発する占有移転禁止の仮処分命令 |
| 54条の2 |
上記仮処分命令の執行 |
| 62条 |
占有移転禁止の仮処分命令の効力 |
- 罰則の強化
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