オプション取引の裁判(投資者側)で勝訴をおさめました。

2003年8月26日掲載

京都地判平成14年9月18日・判時1816号119頁 (控訴後,和解成立)
判旨
本件は,日経225オプション取引(日経平均株価オプション取引),具体的には「ショートストラングル」とか「ストラングルの売り」と言われる取引について,顧客には,そもそも当該取引への適合性がなく,違法であったとして,証券会社(現・三菱証券)に対して,損失額の8割の賠償を命じたものです。
なお,第一審判決後,証券会社から控訴があり,高裁にて和解が成立しました。
特徴
デリバティブをご存じでしょうか。
金融工学から生み出されたデリバティブ(金融派生商品)は,それを必要とされる方にとっては,実にさまざまなリスクを事前にヘッジ(回避や限定)することを可能とし,他方で,そのリスクを引き受けても良いと考える方(例えば,損害保険会社)にとっては経済的対価(プレミアム,例えば保険料)を得る機会を提供するものですが,一歩間違うと,完全なマネーゲーム化するおそれがあります。
ことに,個人が,オプションの売主の立場(さまざまなリスクを引き受ける立場)に立つことは,そのリスク(例えば,多額の保険金の支払い)を引受可能な資力があるのかをわきまえ,かつ,そのオプション取引の危険性について十分に理解することが必要です。
ショートストラングルという取引手法が問題となりました。
ストラングルの売り,とも言われるこの手法は,同一限月で権利行使価格の異なるコール・オプション(買う権利)とプット・オプション(売る権利)を同じ枚数「売る」手法で,その損益図は次のとおりです。
利益は限定,損失は「無」限定という非常に危険性の高いやり方です。ちなみに,売る権利を売る,ということを直感的に理解するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
参考文献
  • 今野浩「金融工学の挑戦」(中公新書,再版,2000年)

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