商工ローンを巡る最高裁判例
2005年1月10日掲載
商工ローンを巡る紛争が,地裁→高裁→最高裁へと係属し,平成15年末ころから相次いで最高裁判例が現れていますので,まとめてご紹介します。
1 最一小判平成15年9月11日・判時1841号95頁
2 最三小判平成15年9月16日・判時1841号95頁
旧・株式会社日栄(現・株式会社ロプロ)の事件です。
- 判旨1
- 「本件の事実関係の下においては,日本信用保証の受ける保証料等は,本件取引に関し被上告人の受ける法3条所定のみなし利息に当たるというべきである。」
- 判旨2
- 「同一の貸主と借主との間で基本契約に基づき継続的に貸付けが繰り返される金銭消費貸借取引において,借主がそのうちの1つの借入金債務につき法所定の制限を超える利息を任意に支払い,この制限超過部分を残元本に充当してもなお過払金が存する場合,この過払金は,当事者間に充当に関する特約が存在するなどの特段の事情のない限り,民法489条及び491条の規定に従って,弁済当時存在する他の借入金債務の利息及び元本に充当され,当該他の借入金債務の利率が法所定の制限を超える場合には,貸主には充当されるべき元本に対する約定の期限までの利息を取得することができないと解するのが相当である。」
3 最二小判平成16年2月20日・判時1853号28頁
旧・株式会社商工ファンド(現・株式会社SFCG)の事件です。
- 判旨
- 「18条書面は,弁済を受けた都度,直ちに交付することが義務付けられていることに照らすと……本件各請求書のように,その返済期日の弁済があった場合の法18条1項所定の事項が記載されている書面で貸金業者の銀行口座への振込用紙と一体となったものが返済期日『前』に債務者に交付され,債務者がこの書面を利用して貸金業者の銀行口座に対する払込みの方法によって利息の支払をしたとしても,法18条1項所定の要件を具備した書面の交付があって法43条1項の規定の適用要件を満たすものということはできないし,同項の適用を肯定すべき特段の事情があるということもできない。」
4 最二小判平成16年2月20日・判時1853号32頁
旧・株式会社商工ファンド(現・株式会社SFCG)の事件です。
- 判旨1
- 「貸金業者との間の金銭消費貸借上の約定に基づき利息の天引きがされた場合における天引利息については,法43条1項の規定の適用はないと解すべきである。」
- 判旨2
- 「法17条書面には,法17条1項所定の事項のすべてが記載されていることを要するものであり,その一部が記載されていないときは,法43条1項適用の要件を欠くというべきであって,有効な利息の債務の弁済とみなすことはできない。」
- 判旨3
- 「18条書面の交付は弁済の直後にしなければならないものと解すべきである。(中略)支払がされてから20日余り経過した後にされた本件各取引明細書の交付をもって,弁済の直後に18条書面の交付がされたものとみることはできない。」
5 最二小判平成16年7月9日・判時1870号12頁
株式会社イッコーの事件です。
No.4の最判と同じく,(1)天引利息について,みなし弁済規定の適用はないこと,(2)弁済後,7〜10日以上後に領収書を交付しても,みなし弁済規定の適用要件である18条書面の弁済直後の交付とはならないこと,を再言したもの。
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